2015年12月6日日曜日

生きがいについて 神谷美恵子

2015-12

一生,欲を追い求め,富を求めて,人と争い,物を集めて,肉を食らい,王様を目指す人々がいる。

一方で,病気のため,社会から離れ,肉体的な苦しみの中に暮らし,
それでも,周りの自然,助けてくれる人々によって,人類全体のために,自分の人生を役だてることができると気付き,それを生きがいとして晴れやかな気持ちで日々を生きていく人々がいる。

パスカルの言うように,前者は動物に近く,後者は,天使に近いと言えるかもしれない。
どちらが悪くて,どちらが良いか,他人が判断しても仕方ない。それぞれの人が,自分の人生を選んでいくだけだ。

世間のニュースで,前者のような動物のような人々が目立つ。この本は,天使のような人々も人知れず存在していることを教えてくれる。実は,世界を底辺から支えて来たのは,このような小数の人々ではないだろうか。

インターネットには情報が溢れ,検索すれば何でも分かるような錯覚に陥りやすい。
しかし,この本に書かれているような深い洞察は,ネットには書かれていない。

参考文献。
内村鑑三,
ホワイトヘッド,
パールバック,
唐木順三,
フランクル,
柳宗悦。

http://www.msz.co.jp/book/detail/08181.html






2015年10月11日日曜日

世界の見方の転換 3 世界の一元化と天文学の改革

詳細かつ深い科学史の優れた本。
天体力学への深い洞察と豊富な文献の読み解き。

第三巻では,ケプラーがどのようにして,惑星軌道の法則を見いだし,
当時の「数学」と「自然哲学」を統合し,「天文学」を「物理学」化したのか,
具体的に知る事ができる。

所々に,科学史の重要な一節となる記述が引用されている。
例えば,
p.1095,フィチーノの書簡より。
「数,図形,運動の原因は,外的感覚よりもむしろ思考に関係する。それらを研究する事により,精神は肉体的要求のみならず,感覚からも離れる。...」




2015年9月4日金曜日

Dブレーン 橋本 幸士

http://www.utp.or.jp/bd/4-13-064101-8.html



0 素粒子、弦、そしてDブレーンへ
1 ソリトンと素粒子物理学
2 ソリトンの次元、弦理論の次元
3 Dブレーン
4 Dブレーンの力学
5 ブレーンワールド(応用I)
6 高次元インフレーション宇宙論(応用II)
7 ブラックホールのエントロピー(応用III)
8 ホログラフィーとQCD(応用IV)
9 究極理論の記述に向けて

p.1
0. 素粒子、弦、そしてDブレーンへ
D ブレーンとは,弦理論に登場する,高次元のまくのようなものである。

2015年8月9日日曜日

山本義隆『世界の見方の転換』1 天文学の復興と天地学の提唱

2015-08

http://www.msz.co.jp/topics/07804-07806/

偉大な本,5 stars。


第1章 古代世界像の到達地平――アリストテレスとプトレマイオス
1. アリストテレスの宇宙像
近代における宇宙像は,それまでの天動説にかわって16世紀なかばにニコラウス,コペルニクスが地動説を提唱したことで始まる,と通常は語られている。