2015年12月6日日曜日

生きがいについて 神谷美恵子

2015-12

一生,欲を追い求め,富を求めて,人と争い,物を集めて,肉を食らい,王様を目指す人々がいる。

一方で,病気のため,社会から離れ,肉体的な苦しみの中に暮らし,
それでも,周りの自然,助けてくれる人々によって,人類全体のために,自分の人生を役だてることができると気付き,それを生きがいとして晴れやかな気持ちで日々を生きていく人々がいる。

パスカルの言うように,前者は動物に近く,後者は,天使に近いと言えるかもしれない。
どちらが悪くて,どちらが良いか,他人が判断しても仕方ない。それぞれの人が,自分の人生を選んでいくだけだ。

世間のニュースで,前者のような動物のような人々が目立つ。この本は,天使のような人々も人知れず存在していることを教えてくれる。実は,世界を底辺から支えて来たのは,このような小数の人々ではないだろうか。

インターネットには情報が溢れ,検索すれば何でも分かるような錯覚に陥りやすい。
しかし,この本に書かれているような深い洞察は,ネットには書かれていない。

参考文献。
内村鑑三,
ホワイトヘッド,
パールバック,
唐木順三,
フランクル,
柳宗悦。

http://www.msz.co.jp/book/detail/08181.html